住民自治研究所とは

あいさつ

おきなわ住民自治研究所は、自治体問題研究所の地域研究所です
自治体問題研究所(東京・新宿区)と地域研究所(38 ヵ所)
自治体問題研究所は全国的な立場から、地域自治体問題の調査、研究、啓蒙活動をおこない、地域研究所(北海道・東北関東中部近畿中国四国九州)は主として、その地域における地域・自治体問題の調査、研究活動をおこなっています。
地域研究所の会員は、同時に自治体問題研究所の会員であり、会員には月刊『住民と自治』(自治体研究社発行)を毎月お届けします。

概要

組織名称おきなわ住民自治研究所
代表
所在地〒900−0022 沖縄県 那覇市 樋川2丁目6-7 -305
電話番号098-855-2515
FAX番号
設立2017年11月23日
活動内容自治体に関わる調査・研究とその普及

自治労連沖縄県事務所 代表 長尾健治氏の自治労連・研究機構での設立時の報告

沖縄が復帰して 45 年。沖縄はいまだに米軍基地から派生する痛ましい事件・事故が繰り
返されても政府は、県民が求める「事故原因が明らかになるまで米軍機の飛行停止を」「市
街地や学校の上空は飛ばさないでほしい」というぎりぎりの要求さえ背を向け続けている
のだ。自国民の生命と安全を守らなければならない日本政府がアメリカ政府にきちんとモ
ノが言えなくて日本はほんとうに主権国家なのか。同じアメリカの同盟国であるイタリア
の対応とは雲泥の差である。沖縄はいまだ占領支配の植民地と言われる所以である。重な
る事件・事故のたびに「綱紀粛正」「再発防止」を連発してもなくならない沖縄の現実に沖
縄はいま我慢も限界を超えた状況にある。
憲法が保障している、地方自治・平和に生きる権利や人権等が踏みにじられている沖縄
にこそ真に日本国憲法と地方自治の実現が切望されており、そのためには住民の住民によ
る住民のための自治研究所が必要だ、2018 年沖縄県知事選挙までには「沖縄に研究所をつ
くろう」との熱い思いから準備会世話人会がスタートして 2 か年余が経った。
準備会設立までは、沖縄住民と自治研究所と自治労連沖縄県事務所が中心となって実行
委員会をつくり、とりわけ 2015 年 7 月 20 日に開催した保母武彦・島根大学名誉教授を講
師にした「『地方創生』に自治体はどう対処すべきか」の地方自治セミナーが 12 市町村議
29 名、自治体職員 11 名、市民ら 85 名集めて成功させ、研究所設立への自信につながった。
2016 年 8 月 27 日~28 日に開いた第 1 回おきなわ地方自治の学校は、「どうする沖縄の
まちと村―平和と自治の足固め」の4つのテーマ①どうする地方創生、②どうする自治体
の政策、③どうする社会保障政策、④どうする自治体の財政で多彩な講師陣での 2 日間の
講演は、100 名が集い、各講師と参加者の双方向型の自治研ならでは取り組みとなった。
2016 年 11 月5日に「設立準備会発足のつどい」を開催、①沖縄振興予算と地方自治、
②違法確認訴訟判決の問題点と今後の闘いの 2 つの講演の後、準備会結成についての経過
報告と準備会規約・役員体制の提案があり、73 名の参加者で承認をした。
翌 2017 年 1 月から準備会の活動拠点として那覇教育会館 4 階に事務所を賃借、本格的活
動を開始。研究所設立に向けた呼びかけ人総会を 3 月 4 日に開催。第 2 回おきなわ地方自
治の学校の開催、組織財政の活動方針、機関紙「おきなわ自治の風」の毎月発行、全国自
治体学校 in 千葉への参加取り組み、役員・事務局体制等が確認された。
8 月 26 日~27 日、第 2 回おきなわ地方自治の学校&県・市町村研修会を開催。記念講演
「戦後最大の憲法・地方自治の危機に立ち向かう―沖縄の地方自治・地域経済の自立的発
展のために」(岡田知弘・自治体問題研究所理事長)と特別講座「住民自治で進める地域づく
り」(池上洋通氏)及び、2 日目には3つの講座①国民健康保険の県単位化と県・市町村の課
題」、②「沖縄 21 世紀ビジョンの成果と課題」、③「沖縄の子どもの貧困と行政の果たす役
割」が開かれ、昨年の前回比 1.5 倍 95 名の参加があった。
こうした 2 年余にわたる自治セミナーや地方自治学校、各種講座などの活動実績を積み
上げてきたこと、これを運営する事務局体制を確立したこと、1 つひとつの取り組みを成功
させることによって住民自治研究所の必要性と共感が参加者から幅広く感想としても聞か
れるようになったことなど、研究所の役割と存在が広く市民に認知されはじめたことが何
より研究所設立の大きな後押しになった。
11 月 23 日の設立総会は、記念講演「沖縄の地方自治その歴史と未来」と題し、宮本憲一
大阪市立大学名誉教授が 1 時半にわたり講演。「70 年代の沖縄の重化学工業化と車優先社会」
は、復帰政策で本土経済との一体化を沖縄へ押しつけたもの。基地はなくさず、公害を本
土並みに持ち込んだ。しかし、『豊かな自然環境』を活かし、「内発的発展は可能」と読谷
村等の事例をあげて指摘。「軍事基地や大規模公共事業でなく再生エネルギーの開発、環
境・福祉・教育・文化の振興と結ぶ観光の発展や平和な海、温暖化防止のための島嶼国家・
地域の国際的連帯を沖縄から発信できるのでないか。沖縄が基地から解放されずして日本
の平和はなく、沖縄の自治権の回復なくして日本の地方自治の確立はない。沖縄のエネル
ギーを私は信じている」と締めくくった。まさにおきなわ研究所への熱い激励メッセージ
でした。
翁長雄志県知事から「沖縄の創造的な発展をめざして、憲法が定める地方自治の理念の
実現、そして基地問題をはじめ沖縄が抱える諸課題の解決に向けて、主体的に学び考える
様々な取り組みを進められることを大変心強く感じております」とのメッセージが寄せら
れた。設立総会・記念講演には県外や本島北部からは学生の参加もあり、予想を上回る会
場いっぱいの 150 名超える参加があった。「沖縄の地方自治の歴史を振り返る本質に迫った
素晴らしい内容でした。また沖縄の未来への応援メッセージに勇気づけられました」(45 歳
自治体職員)、「今日の講演は宝物です。私たちが沖縄の今後を考えるうえで常に戻って考え
る基盤とすべきお話でした」(59 歳 研究者)等、参加者から感想が寄せられた。
今後、研究所に期待される基地に依存しない自立循環型経済をめざす沖縄 21 世紀ビジョ
ンをどう具体的な形に示していくのか。県民の悲願であり、憲法が生きる平和で豊かな沖
縄を実現するために当研究所に課せられた役割は極めて大きい。私たちは、沖縄が抱える
さまざまな課題や問題を県民と共有しながら各課題の本質を明らかにすると同時に、諸課
題の解決策について、率直な議論を重ね、県民の英知を結集して政策、提言できる力を持
つ努力をしていくつもりである。そのためには研究組織として幅広い協力者が気軽に参加
でき、学び情報を共有できる住民自治研究所でありたい。また地域と住民にしっかり根付
いた取り組みを大事にしていく所存ですのでこれからも全国、内外の研究者の叱咤激励を
歓迎しますし、何よりも多くの県民の主体的なご参加、ご協力をお願いして報告とさせて
いただきます。

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